多業種・多品目ゆえの業務煩雑化が長年の課題
【Q】事業内容について教えてください。

システム管理部 課長(以下同):当社は事業所への食品卸売業として仙台を拠点に活動しています。創業当初は青果を中心に取り扱っていましたが、現在は冷凍食品や乾物の他、箸や皿、洗剤といった消耗品も扱うようになり、さらにお客様のご要望に応じる形で厨房設備なども手がけるようになりました。食に関わるものは全般的に取り扱っています。
取引先の業種・業態も幅広く、ホテル、旅館、レストランや中小の居酒屋さん、給食施設、介護老人保健施設、保育園などです。
【Q】取引先が幅広いことで、どのような業務課題がありましたか?
受注業務におけるアナログ問題が長い間の懸案事項でした。電話やFAXが主な窓口で、取引先400社のうち、ネットを経由した受注が200社、残りの200社からは電話とFAXで注文を受けています。
平均して日々300件の注文を受けます。そのうち電話やFAXの場合、取引先ごとに商品や規格が異なるので、電話口で聞いた内容だけでは商品を特定しにくいのです。FAXの場合、文字の乱れや取引先特有の名称を書かれることもあり、改めて電話で確認する必要があります。
さらに問題なのが、夜間の留守電受注です。留守電では「昨日と同じもの」「いつもの洗剤」など内容が大雑把になることが多く、翌日にまとめて確認しなければなりませんでした。
FAXや留守電では、確認作業はもちろん、留守電の内容を聞き取って別途発注表に書き起こさなくてはなりません。早口だったり小さな声だったりする人もいて、一度聞いただけでは発注表に書き起こせられないのです。この留守電受注が、1日約200品目に及びます。
このような受注処理を常時3名で対処していました。1名はネット経由の受注を、2名はその他の受注を担当し、日中も夜間も処理に追われていました。特に留守電担当は、電話が途絶える深夜1時2時まで聞き取りと書き起こしに従事している状況でした。
手間と時間をかけているにも関わらず、商品数が膨大なため同一商品の入り数やサイズの違い、また先方の思い違いによる発注もあって、受注ミスによる再配達もありました。
取引先からの声もあり、アナログからの脱却を
【Q】受注の課題に対して、どのように対策されましたか?

以前からデジタル化の検討をしていました。お取引先様からも「電話やFAXだと面倒」「LINEなどで発注できないか」といった声を頻繁にいただいていたのです。
当社では、インフォマートの『BtoBプラットフォーム 受発注』を導入していて、これに統一できないかと考えていましたが、取引先は小規模な個人店などもあり、お勧めできなかった経緯があります。他社の受発注システムも検討しましたが、資本面に不安があり見送っていました。
そんな中、たまたまインフォマートのもう一つの受発注システム『TANOMU』の話を聞く機会があったのです。
営業が取引先に「スマホで発注できる無料の受発注システムがあれば利用しますか」などいくつかの質問をして回答結果をまとめたところ、かなりの件数で好意的に受け止めていただいたのです。そして『TANOMU』の導入を決めました。
【Q】取引先の個人店は、実際に受発注システムを受け入れられましたか?
導入に際して、抵抗感を示された取引先はほとんどありません。むしろ「もっと早くやってほしかった」という声もあり、歓迎された印象です。発注の操作も混乱なくスムーズでした。若い方が発注方法を覚えて、社内で教え合っていただくことが多かったようです。
さらに『TANOMU』導入後、同業者から「うちも入れたいけど実際どうなの?」と感想を聞かれることもありました。それだけ電話・FAXの受発注がお互いに迷惑だったのだと実感したほどです。
『TANOMU』で受注作業を1時間短縮、留守電受注を撤廃
【Q】導入後、実際に業務効率化には役立っていますか?
効果は大きいです。『TANOMU』導入の翌月には、深夜の留守電受注を撤廃することができました。さらに、留守電機能をオフにして受け付けないようにしたのです。
それによる混乱は特にありません。多少の問合せはありましたが、『TANOMU』への移行を伝えてご納得いただいています。300件ほどあったFAX・留守電受注のうち、今では80件ほどを『TANOMU』で受発注するようになりました。時間を追うごとに利用数は増えていくと考えています。
導入のおかげで夜間の受注担当者の終業時間を、1時間前倒しできるようになりました。さらん、受注担当者を3名から2名にできたのです。時短と人員再配置と、何よりストレスがなくなった効果は大きいです。
ミスもなくなり、再配達も減っています。やがては受注担当者のうちネット受注を担当する者はリモート勤務で対応できるようにと考えています。
『TANOMU』の販促機能で商品情報を一斉送信したい
【Q】今後はどのような活用を考えていますか?
まずは未導入の飲食店さまに力を入れて『TANOMU』の導入を促し、受注の大半をデジタル化できるように進めていきます。また、販促機能を積極的に利用します。
当社では旬の食材や安く仕入れられた食材、消費期限の近いものを特価で提供したいのですが、いまは営業が個別の担当先にご案内したり、当社のホームページで告知をしたりしていますが、効果は限られます。
『TANOMU』の販促機能を使えば直ちに一斉配信できます。事務的な作業の簡素化だけでなく、販売促進の武器にもなるので、発信力の強化を図っていきます。
株式会社ほまれフーズ
設立 :2002年6月1日
代表者:代表取締役社長 田村 真衣
本社所在地:宮城県仙台市若林区卸町3-7-10
企業サイト:http://www.homarefoods.jp/